突然の観光
三笑楽の女将さんの紹介で相倉郷にやってきた。駐車場のすぐ側から集落が始まっていた。
集落に入るとまず売店があった。建物は合掌造りで赴きがあるが中では普通にお土産が売られていた。
そこに三笑楽のコップ酒も売られていて、合掌造りで飲む三笑楽もまた旨いだろうなと思ったが
運転があるので呑むわけにもいくまい。後ろ髪をひかれながらも店を後にした。
その後数分ほど歩くと村のはずれにでた。思っていたより小さい集落だった。
そういえば来る途中に分かれ道があったなあ。あっちにいってみようかと言うとみんなも賛同してくれた。
細い登りの雪道を一行はそろそろと進んだ。地味だが雪国仕様ではない我々にはそれなりにハードだった。
ドナ氏がちょっとした八甲田気分だねと言った。確かにいままでの除雪されていた道と違っていた。
いったいこの先に何があるのだろうか?やがて目の前がひらけて、一件の民家が現れた。ただそれだけだった。
これってただの生活道なんじゃ?まさしくその通り他にはなんにもなかった。我々はトボトボと来た道を戻って
いた。いい運動になったねとお互いに慰め合いながら・・・
もとの広い道にでると若いカップルがこっちを見て不思議そうな顔していた。彼女の方が「上に何かあるのかな
あ?」と彼氏に聞いているのが聞こえたので、ちょっとしたイタズラ心で「いやーまさか上にあんなものがある
とはおもわなかったなあ」と聞こえるように言った。するとそのカップルはちょっと迷っていたが先程の道を
登りはじめたではないか!「ちょっと悪いことしたなあ上にいったらがっかりするだろうな」と言うと一部
始終をみていた北陸組のお二人は「いいんじゃない。困難をのりこえて一層愛が深まるかもよ!」となんとも
無責任な発言をした。
出口付近まできたとき喫茶店をみつけた。ここもご多分に漏れず合掌造りである。雰囲気もよさげだったので
一服していくことにした。中に入るとテーブルなどなく、囲炉裏が部屋の真ん中にあるだけで、その周りに
お客が車座になって座っていた。格好だけの作り物でないことを長い歴史のしみこんだ柱が物語っていた。
みんなぜんざいを注文したがいも氏だけがコーヒを注文した。この場の雰囲気でコーヒかい!と思ったが
どこであれ、喫茶店に入れば「ホット」と条件反射で言ってしまう、名古屋DNAがそうさせるのかも
しれない。
(名古屋近郊の喫茶店文化は全国でも有名。詳しく知りたい方は質問コーナまで!)
見学も終わり集落からでた。時間はまだ11時。さあどしよう今から帰れば夕方には名古屋に着く。
決して早すぎることはないなと思っていたら。あゆあゆさんの口から行きつけの酒屋の話がとびだした。
なかなかマニアックなお店で日本酒にも力をいれているらしい。しかも古酒も扱っていると聞いたとき
ドナ氏の目が輝いた!そうドナ氏は去年偶然に宇奈月でみつけた「幻の滝 熟成3年」を探し求め
いまだ巡り会えずにいたのだ。
その1時間後、我々があゆあゆさんの地元の酒屋にいたことは言うまで
もないだろう。はたして「幻の滝」は、やはり幻で終わってしまうのか。
その店は奥半分が仕切られており、空調管理された部屋になっていた。これは期待がもてそうだ。
そしてその扉をくぐったドナ氏が思わず声をあげた「あった!」
そうついに半年の年月を経てここに巡り会うことができたのである。
ここにはそれ以外にも魅力的な古酒がたくさん並んでいた。それらをいろいろ物色していると、「古酒を
お探しですか?」と店長さんが話かけてきた。どうやら普通の酒には目もくれず真っ先に古酒を物色していた
我々が先程から気になっていたと言う。そして酒好きだとわかると試飲を勧めてくれた。それは三笑楽の
純米を寝かしたものなのだが、あえて通常状態にさらし独特の”ひね”をだしたものだった。
ドナ氏といも氏は帰りの運転を私に託し次々に試飲をしていき、好みの酒を購入した。私はといえば味見
するわけにもいかないので、二人からの感想を元に酒を選んだ。口惜しいがまあ今回は自分がホスト役だから
と自分にいい聞かせた。
あゆあゆさん、かわさんのおかげで、とんだ掘り出しものを手に入れる事もでき、予想以上に収穫の多い有意義
で楽しい1日が過ごせた。お二人には本当に感謝である。我々は二人にお礼を告げると帰路についた。
帰路の途中また来たいとドナ氏、いも氏が言っていた。私も今回来れなかった他のメンバーも
つれてきたいと思う。どうやらペローの恒例行事になりそうである。
「おわり」
(ダッチ)
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