プロローグ

それは突然起こった。
4月某日、残業中の私の携帯電話に着信があった。
席を離れ携帯を取り出す。マッサーさんからだった。
電話にでるやいきなり「ダッチ君、ハワイいくでしょ。5/18日だからね。」と言われた。
「何を言ってるの?」私は何のことかわからず聞き返した。
「何って、モロカイだがね。何言っとるの」と何を当たり前のことを聞いているんだと言わんばかりの回答が返ってきた。
私は訳がわからないのと、その態度に少々カチンときたので
「はぁ!?何言ってるの?」と少し手荒な言い方になった。
それを察したのか急に態度が変わり「いやあ、イツコさんがさあ、是非ダッチ君にも応援にきてほしいって言っとるんだわ。」
と今度はイツコさんに依頼されたかのような口ぶりになったが、これがマッサーさんのでっち上げである事は明白だった。
モロカイについて特に興味を示していなった私にしかも突然ハワイまで応援に来てほしいなどとそんな常識はずれな事を
彼女が言う筈はなかった。
「マッサーさん、もう冗談はいいから・・・」そういって電話を切ろうとすると
「ちょっと待って。」と慌てて、いきさつについて話始めた。

実はハワイに応援に行く約束をしたものの連休直後しかも1ヶ月前では他に一緒に
いってくれる人が誰もみつからなかった。
現地ではレース当日以外はイツコさんやスタッフと別行動になるため一人で過ごさないと
いけないがそれは耐えられない。ということで私に白羽の矢がたったと言うことだった。

 確かに事情を聞けば誰か連れて行きたい気持ちは、わからないでもない。
けど急に言われても仕事だってあるし・・・返答をしかねていると電話の向こうから悲痛な声が聞こえてきた。
「頼む。助けたってよ。一生のお願いだから。」

1ヶ月後、マッサーさんの通算何度目かになる一生のお願いを聞き入れた私は空港に向かっていた。  今年はどうなることやら、、

(Written by ダッチ)



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