前回から随分と期間が空きましたが三笑楽ツアー第2弾のはじまり〜

3/1 宿をめざし我々は雨の中、山道を進んでいた。県境になる地域なので何度も岐阜県 と富山県を出たり入ったりしながら進んでいると、いも氏とどな氏がキョロキョロ しだした。?と思って訪ねると、酒屋をさがしているとのこと。これから飲みに 行くのにまだ酒が必要だろうか?私の問いに二人は部屋に帰ってから飲む分が 欲しいとのことだった。しかし本当のところ地方にいったら地元の酒屋で酒を 買うことが彼らの儀式のようなものになっていることを私は知っていた。 彼らにとってはツアーではなく「日本酒巡礼の旅」なのである。遊びではない! 崇高な目的を持った行なのだ。そうでなければ酒を買う為だけにここまできたりは しないだろう。私は彼らに尊敬の念を抱かずにはいられなかった。

温泉を発ってから1時間ほどして宿についた。部屋に通されて一息ついた。 時間は6時をまわっていた。ようやくここまでたどり着いた。温泉も入ってきたし あとは食事の準備ができるのを待つだけである。今回の最大の目的はにごり酒を 買う事であるが、もう一つがこの宿の食事である。私が2年前に来たときに その味に魅了され、絶対に酒飲みなら一度は食さなければならないと思い今回の ツアーを企画した発端となった料理である。そしていよいよ広間へと案内された。 まず目に飛び込んできたのは囲炉裏の上で焼かれている岩魚だった。和紙を上から かぶされたそれはなんとも香ばしい香りをはなっていた。

(う〜ん美味しそう。)

まずは今日の料理の説明をしていただいた。山菜の天ぷらにおひたしに釜飯、 岩魚の刺身に塩焼き、そして今日の鍋は熊鍋だった。 ものごしの柔らかい女将さんが丁寧に一品一品説明してくれた。

(食事前に一枚なぜか二人ともおすまし(笑)

まずは、にごり酒で乾杯。ここで出される白酒(この宿では、にごりをこう呼んでいた) 去年できたものを一年ねかしたもので、新酒にくらべると角がとれた言うか丸み のあるなめらかな味である。一年ぶりのご対面。う〜んやっぱり旨い!いも氏もどな氏も 満足気な顔をして飲んでいる。
 おひたしを肴に一杯やっていると、先程の岩魚が焼き上がってきた。 表面がパリッパリッに焼けたそれを頭からかぶりつく。絶妙の塩味と焼き加減! まだ身に到達する前から旨い。普通これぐらいの大きさの魚を頭から食べるのは抵抗があるが 皮の水分が完全に抜けていてフライのように食べられる。それなのに身はほくほくしている。 もう夢中で一匹たいらげてしまった。「頭から食べられるよ」と言った覚えはなかったが 他の両名の皿の上にも頭はおろか尻尾すら残っていなかった。
 次に山菜の天ぷらに手をつける。これは抹茶塩でいただく。さくさくにあがった天ぷらは本来なら脇役の山菜が主役になっていた。 抹茶塩との微妙な味のバランス。ドロドロソースのステーキばっかり食ってるヤツらにはわかるまい! 日本人に生まれてきてよかった!

五合の白酒も無くなったので(早っ!)いよいよ岩魚の骨酒のご登場である。熱燗の中に岩魚を 丸ごと一匹入れた贅沢なもので、この器がまたなんとも言えない、いい味をだしている。カレー のルーが入っている器に短い脚がはえたような陶器の器である。

(魚の絵がとっても、らぶりぃ〜)

口に含むようにゆっくりと味わう。岩魚の香ばしさと酒の香り、酒にしみ出した岩魚の風味 それらが、あいまってなんとも言えない夢見心地の気分だ。これはもう極上のスープである。 どな氏も「これは旨い!これだけでもここまで来た甲斐があった」と絶賛してくれ、いも氏も う〜むと満足気にうなって呑でいた。料理も酒も満足してもらい私も嬉しかった。 酒が旨ければ食も進み熊鍋を肴にまた酒が進む。食事が終わってみれば3杯も骨酒を頼んでいた。 「いや〜今日は満足したよ。しかし結構呑んだなあ、どれぐらい呑んだのかな?」とどな氏。確かに 呑んだ。骨酒の器が一杯何合なんだろう?形が特殊だから見当がつかない。「これは何合分なんですか?」 片づけにきた女将さんに聞いてみた。
「四合ですよ」
なんと!三合ぐらいと言っていたどな氏の予想を超えていた。ってことは骨酒だけで一升二号、白酒あわせて 一升七合か。そりゃあ満足する訳だよ。
旨い料理と酒を十二分に堪能して我々は部屋に戻った。
どな氏が満足した表情で「途中でお酒買ってこなくてもよかったね」と言った。いも氏も同感のようである。 「ね、だから言ったじゃない。絶対にここの料理と酒で満足するって。」少し誇らしげに私は言った。 かといってこの酒をどうするか?  5秒ほど考えて「まっ折角だから呑むか!」
結局この日、三人で二升一合あけたわけである。明日の酒蔵買い出し、あゆあゆさんと 待ち合わせしているけど大丈夫だろうか。しかしそんなこと今更考えたところで後の祭りである。

  三笑楽ツアー3に続く

さ〜て次回の三笑楽ツアーは
波平です。全く飲兵衛共には困ったものですな。ちゃんと目的を達成できるのか心配ですわい。
さて次回は
*きました三笑楽
*思いがけない観光
*どな氏危機一髪 の三本です。 (んっばん・・ぐっぐっ)
内容は予告なく変更されることがありますのでご了承下さい。

(ダッチ)



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