訂正とお詫び
前回の西表旅行記2でカヤックを貸してくれた方をパピヨンの山本さんと書きましたが、
村田自然塾の村田さんの間違いでした。
ただでさえ、記憶力がないのに随分と時間が経ってから旅行記を書いているものですから、
うろ覚えの部分もありまして、ちゃんと確認をとらずに書いてしまい申し訳ありませんでした。
今後は間違いのないようにしますので旅行記3もよろしくお願いします。
5/23(夜)
宿に戻ると、食事の時間までまだ、間があったので先にシャワーを浴びることにした。
この浴室がまた変わっていた。脱衣場はなくそのかわり洗い場が広く真ん中がカーテンで
仕切られるようになっている。これは、ダイビングなどの後にウェットスーツをきたまま入れて、
道具などもその場で洗え、そのまま体も洗うにはとても便利な造りだった。もちろんカヤッカーに
とっても大変便利であった。さすがは、向かいに珊瑚礁がある宿だけのことあるな。
みな、この浴室を大いに気に入った様子だった。
今日は他に宿泊客もいないようだし部屋はすぐ向かいなので、下着姿で浴室と部屋を行ったり来たりしていた。
ちょっと行儀が悪いが、まあ南の島で開放的になっているってことで大目にみてもらいましょう。
やがて、夕食の準備ができたのであの広い食堂へとおりていった。今夜のメニューはステーキと紅芋の
スープとゴーヤの和え物とデザートのパイナップルだった。マッサー氏とローカル氏はがっついて食い始めた。
よっぽど腹をすかせていたのだろう。もっともこの二人いつも食欲旺盛なのだが。
やっと食事にありつけてご満悦のお二人
自分とあおあおさんはまずお約束のオリオンビールで乾杯。うまい!また西表で飲むオリオンビールは 格別だね。ステーキとの相性もばっちり、このステーキもうまいが、紅芋のスープがまた絶品!綺麗な紫色の 見た目からもっと甘いものを想像していたがとてもさっぱりとした味で肉料理にもよく合う。またたく間に ビールを飲み干すと、今度は泡盛を頼んだ。これがまた、ゴーヤの和え物と合ってうまい!食も呑みも どんどん進んだ。デザートのパイナップルは随分と小ぶりのものだったが、食べてびっくり!やわらかくて甘い!! 特有の酸味はなく、あのよく歯にひっかかる繊維質の筋もほとんどない。今まで食べたパイナップル とは、すべてが違っていた。思わず女将さんに聞いてみたところ、ピーチパインという品種で西表島の特産物 だそうだ。この時すでに、これは是非本土に持ち帰らねばそう決心している自分がいた。
本日のメニュー
紅芋のスープが美味しそう!
まだ、箸をつけていないのにすでに空のジョッキが!?
明日のレースとカヤック談義に花をさかせながら、晩餐は進んでいたのだが、どうも気になることがある。
それは隣の席に用意された二人分の食事である。どうやら他にも宿泊客がいるようである。皆も気になっていたらしく、
いろいろと想像をふくらませた。カヤッカーだろうか?それともカップルか?
「お姉ちゃん二人組かもしれんな」とマッサー氏
それはないでしょう。シーズンはずれてるし、連休でもなんでもないこの時期に若い子は遊びに来ないだろう
というのが、他の皆の意見だった。がしかし、すぐにその意見を訂正しなくてはならなくなった。
食堂に現れたの二人の女性だった。年の頃は20代半ばぐらいだろうか。正直このようなところで(失礼。
西表のことではなくて、カヤックレース会場という意味ですので)若い女性に会えるとは思ってもいなかった
ので驚いた。
これは間違いなく、マッサー氏が黙っているわけはない、すぐさま声をかけるだろう。
しかし、いつまでも熱くカヤックのことばかり話している。他の皆も彼女たちの方は見向きもしない。
一体どうしたんだろう。よっぽど今回は気合いが入っているのかな?
結局、一言も会話のないまま部屋へと戻った。しかし、そんな事ばかりも考えていられない。
この後行かなくてはならない所があった。
それは今回の立て役者といってもいいその人、”南の島のラーメン職人 片桐さん”である。
レンタル艇やあの乗り合いバスのシステムなど、島に関する様々な細かい情報を出発前にいろいろと
教えてくれたのである。
お店のほうに招待されていたので、別の宿に泊まっている相原さんと一緒にお邪魔する予定だった。
住所を聞いてみたのだが、西表にはラーメン屋は家一軒だけだからタクシーの運転手にラーメン屋までと
いえばわかるよと言われた。本当にそれで大丈夫なのだろうかと思いながらもタクシーを待つために
外にでた。すると道路はさんで向こう側の海岸から人の声がする。どうやら先程の彼女たちが携帯で
話しているようだった。ここでは圏外になってしまうが海岸沿いに出れば、かろうじて通話できるようである。
皆も気がついたらしく。あれ、さっきの子達だね、と話していたら、
あおあおさんが、「あの子達、愛知県の子だに。」と言った。
これを聞いてオヤジ達、一気にスイッチが入った。
「なにー、愛知!?」とローカル氏がわざとらしく大きな声で叫んだ。通話を終えて道路を渡ってきた彼女
達が思わずこちらを向いた。その後はマッサー氏の出番。自分達も愛知から来たという同郷心を利用して
言葉巧みに、言いくるめ、とうとう一緒にラーメン屋まで行くことになった。
「これもすべて、自分が宿帳記入時にその上の欄の二人の住所をチェックしていたおかげだに。」と
あおあおさんが誇らしげに言った。確かにその通り。むさ苦しい男ばかりの夜に花がそえられそうだ。
やがて、タクシー2台で片桐さんのお店に乗り付けた。(本当にラーメン屋だけで着いちゃった!)
中に入ると店の真ん中にベビーベットがあり、その中に片桐さんの愛娘が眠っていた。大勢のお客さんが
いて騒がしいのによく寝ている様子だった。そのかたわらに奥さんが忙しそうに働いてみえた。
家族で一緒に生活しているという雰囲気が伝ってきて、どこか懐かしい感覚を覚えた。
片桐さんもこちらに気づき厨房から挨拶に出てきてくれた。心待ちにしていた対面である。メールの印象
どおり感じのよさそう方だった。しかし、なんせお店は大忙し。我々と話し込む訳にもいかず、厨房へと戻っていった。
お客さんの中に学生さんたちの集団がいた。明日のライバルである。この時間までやっている店は他にはなく
(といっても9時前なのだが)みんなの社交場になっているそうである。そもそも島の人たちには外食するという
習慣自体あまりないのだと後に伺った。
席に着いてまずはビールでしょう!相原さんはよく呑む方なので、自分もあおあおさんも、一緒に呑む
のを楽しみにしていた。役者はそろった明日にむけて”かんぱーい!”
今日何杯目のビールだろう。しかしアッという間にジョッキを空にすると二杯目を頼んだ。ホント、この南国
の気候にはオリオンビールは最適だね!夕飯は食べてきたので、つまみに餃子を頼んだ。がここでまた信じられない事がおきた。
なんとマッサー氏とローカル氏がラーメンを注文したのである。あんた達さっき食べたばっかでしょ!なんという食欲だろう。
もう呆れるより感心してしまった。
ビールも進み、すでにテーブルはジョッキで一杯。彼女たちとの話もはずんでいた。明日シーカヤックレース
が行われること、自分たちはそれに参加する為に来たことなど。それにしても、食堂であった時にマッサー氏が
声をかけなかったのは何でだろう?その謎が明かされる時がきた。実はあのとき他に宿泊客がいないと
思っていたマッサー氏はTシャツに下は下着だったので話しかけられなかったのだった。
それであんなにも熱心にカヤックの話をしていたのか。いつも真っ先に声をかける人が何もしないのでついつい
こちらも、真面目モードに入ってお姉ちゃんそっちのけで話してしまったではないか。
向こうも、カヤックの話に夢中になっている我々をみて話かけることができないでいたらしい。
しかし、今ではすっかりうちとけていた、ローカルさんの「相原さんと一緒にタクシー乗った時怖くなかった?」
という、質問にも「そんな事ないですよ、カワイイ」と答える余裕ぶり。これには相原さんも照れていたご様子。
明日是非レースを見に来て下さいよ。と声をかけたが、どうやら午前中に石垣島に行かなくてはならないそうだ。
うーん残念。せっかく知り合いになれたのに。
そこそこ?呑んでもう、だいぶいい気分になってきた。明日のレースもあるし、閉店時間もせまってきたし、 そろそろ帰りますか。この時間になると片桐さんもやっと手がすいたようで厨房から見送りに出てきてくれた。 明日のお互いの健闘祈りながら、店を後にした。
片桐さんのお店で一枚
後ろの壁にはカヤックマラソンのポスターが!
宿に戻ると汗もかいたことだし風呂に入ることにした。彼女達の部屋はちょうど風呂の正面であった。
知らぬこととはいえ下着姿でうろうろしていたとは、うかつだった。そう思いながら今度はちゃんとズボンを
はいて外に出た。しかし、そんな気持ちが消し飛ぶ、とんでもない光景を目にしてしまった!!
生まれたままの姿で歩くマッサー氏とローカル氏であった!もちろんタオルで前を隠すことも
せず、当たり前の様な顔をして歩いている。
「ちょっと何やってんですか!パンツぐらいはいて下さいよ!」
「脱衣場がないから濡れちゃうだろ。部屋に戻ってからはくからいいよ。」
「だいいち、部屋に着替えを置いてきた。」
(確信犯かよ・・・)
さて部屋に戻ったが、このふたりクーラーに向かって仁王立ちになったまま、なかなかパンツをはかないので
ふざけてカメラを向けてみた。
「はやく、着替えないと写真とりますよ」
すると二人は
「おお!そうか。じゃあ頼むわ」とポーズを取り始めたではないか。
そうこられちゃあ、こっちも後に引く訳にはいかず(引けよ!)1人ずつ撮ってあげた。デジカメだから
できるんだよね。普通のカメラだったらもったいなくて撮れやしません。
しかし一日の締めくくりをとんでもないもので締めてくれたなあ。
今日一日だけでいろんな事があったが、明日はいよいよレースだ。一体どんな事がまちうけているのだろう?
期待を胸に床についた。
こうして西表の夜は更けていくのであった。
西表旅行記4へ続く
(ダッチ)
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